あーラオス行きたい

 突然だけどラオスに行きたい。

 金を惜しんで自宅にこもっていると、頭に浮かんでくるのは去年の夏すごしたリゾートホテルのことである。街全体が世界遺産であるルアンパバーンの、中心部の端っこに位置するメゾン サウバンナフォウム ホテルで過ごした3日間は私のしょっぺぇ人生における最良の時間で、度々私の意識を遠くへさらって行く。

 バンビエンからルアンパバーンへはバスで4時間程とのことだが、私達夫婦は朝からトータルで7時間程狭いバスの中で過ごすことになった。我々は薄いシートに揺られながら、二人で繰り返し「地球の歩き方ラオス編」を回し読みした。その時頭の中で思い描いたルアンパバーンは、実際に訪れてみると想像通りのおだやかで素朴な街だった。

 長時間のバスに疲れた私達は、顔もバッグもホコリまみれで、高級感が有り余るホテルのフロントに少し臆したけども、クタクタだったので二人して高そうなソファにどっかり腰掛けて、今後の予定について話し合った。フロントの女性は、汚い格好の我々に最高のビジネススマイルでもって接してくれたので、私は自分たちが王族になったみたいな気持ちがした。

 案内された個室には、すでにお香が焚かれてあり、クーラーが効いていた。前日は一泊1500円のところに泊まったので、あまりの格差に足元がふわふわした。

 この手のリゾートホテルには何度か泊まったことがあったけれど、泊まるたび「よその世界にいる」という居心地の悪さを感じていた。しかし、ここは例外で、心からのんびりと過ごすことができた。多分、スタッフの方たちが真剣に丁寧にもてなしてくれたからだと思う。

 ラオスはすごく素敵な国で、働いている人たちが親身になってくれる。これって働き手としては大変なことなんだけども、旅行者としてはやっぱりありがたいなぁと感じる。どうか魅力を損なわずに、それでいてより経済的に豊かになってほしいなぁと思う。また行きたい。